退路は断たない。失敗するのが当たり前。マイナス思考とは違う

税理士 平林夕佳

ほぼ失敗することが前提。

 

退路は断たない。うまくいかなくてあたり前

退路を断つという言葉がありますが、好きな言葉ではありません。

人によっては、退路を断つことで自分の本気度を見せる方がいます。

退路を断つ、背水の陣を敷くということは、将来、必ずうまく行くことが前提ではないでしょうか。

先日、「退路を断って取り組んでおり、次のことは考えていない」と言っている方をYouTubeで見ました。

ところが思いどおりの結果が得られず、「この先、どうしましょう」とも言ってました。

一つ安心したのは、ダメだった時のために仕事を紹介してくれる人を用意していたことです。

そのためこの方は、「(仕事の紹介があるため)退路は断っていない」が、正しいと思っています。

退路は断たない。バブル期とは違う

ひたすら頑張れば結果が付いてくることもあるでしょう。

しかし、時代の流れやタイミングにより、頑張れば必ず成果が出るとは言い切れません。

1980年代のバブル期は、どんな商売でも、才能の有る無しに関わらず店を出すと儲かったという話を聞いたことがあります。

ところが今はどうでしょうか。

どんな商売でも店を出せば儲かる時代でしょうか?

1980年代のように、何をやっても売れた、儲かったという時代では無いと思います。

どんな商売であれ、誰でも店を出せば儲かる時代なら、退路を断っても良いでしょう。

ところが、どんな商売でも店を出せば必ず儲かる時代ではないため、
・退路を断つ
・背水の陣を敷く
という言葉はひと昔前のバブルの時に使われた言葉だと思っています。

退路は断たない。ビジネスを小さく始められる

逆に、1980年代はビジネスを小さく始めることは、難しかったのではないでしょうか。

1980年代だと、インターネットがまだ一般ではなかったからです。

当時、ビジネスを始めるにはまとまったお金が必要だったと思います。

商売を始めるにしても、立地の良い場所を借りて設備を揃え、広告を打つ。

当時は営業を始める前に、大金が必要だったのです。

ところが今は誰でもネットを使い、SNSで発信し、ネットで稼ぐことができます。

ブログやYouTubeなどで収益化できるので、パソコンとネットの環境があればビジネスを始められます。

大金を集める必要が無ければ、設備投資もいりません。

会社にお勤めしながら、空いた時間を使ってビジネスを始めることができます。

そのため、退路を断つ(会社を辞める)必要は、無いのです。

ビジネスを小さく始め、大きく育ってきたら、その後を考えれば良いでしょう。

退路は断たない。マイナス思考とは違う

・退路を断たずに安全策を講じるのは、最初から失敗を決めつけている。
・マイナス思考になっている。

という反論もあるでしょう。

しかし、退路を断たたないこととマイナス思考とは違います。

何をやっても100%うまく行くことはほぼ無いため、次のことも想定しておくということです。

退路を断たないこととマイナス思考は結び付きませんので、心配しないようにしましょう。

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