償却資産税申告書、備品にかかる固定資産税の節税方法

税理士 平林夕佳

償却資産申告書の提出期限が近づいてまいりました。
償却資産税の有効な節税方法をお伝えします。

 

 

赤坂にあるWakiya。以前の職場に近く、連れていってもらったのがきっかけでお気に入りの店になりました。ランチタイムがお値打ちです。

 

償却資産として申告する固定資産

仕事をするのに必ず購入するパソコンなどの備品類。この備品類には償却資産税として税金がかかります。
償却資産税の対象となる固定資産は、職場にある備品や構築物、機械装置などです。

土地や建物、建物付属設備、車両運搬具には償却資産税はかかりません。土地や建物、建物付属設備には「固定資産税(土地・家屋)」として、不動産の固定資産税がかかります。

車両運搬具は「自動車税」として税金がかかるので、償却資産税は土地・建物・車両以外の固定資産にかかる税金です。

不動産の固定資産税と自動車税は、サラリーマンの方にもかかる税金てすが、償却資産税はサラリーマンの方にはかかりません。

償却資産税は、合計額が150万円未満なら税金がかからない

私の事務所ですと、パソコンやエアコン、カメラや計測器、コピー・プリンターなどの複合機があります。

少し規模が大きい事務所になると、あっという間に固定資産の合計が150万円以上になり償却資産税を払う対象となってしまいます。

しかし、あるひと工夫をすることで、備品類の合計額が150万円以上になっていても償却資産税がかからない方法があるのです。

 

10万円未満は消耗品費、20万円未満は一括償却資産で計上する

私はパソコンや備品類を購入するときに、なるべく10万円未満のものを選んで買うようにしています。
ただし、パソコンは使いやすさや機能を重視してしまうので、10万円以上になることもあります。

検討した結果、どうしても10万円以上になってしまう場合、次のハードル20万円未満で選ぶようにしてます。

理由は
① 10万円未満の備品類 → 消耗品費として、その事業年度の経費に全額入れることができる。
② 20万円未満の備品類 → 全額その事業年度の経費に入れることはできないが、一括償却資産に分類できる。

つまり、①は固定資産という分類ではなく、消耗品費のカテゴリーに分類されるので、償却資産として税金がかかる固定資産とはみなされないのです。
99,999円以下の備品類は、ノートや消しゴム、ゴミ袋と同じ仲間の消耗品費に分類されます。

②は、器具備品という固定資産ではなく、一括償却資産になります。20万円未満の備品類は買った年の経費に全額を入れることはできませんが、一括償却資産として毎年3分の1ずつ経費に入れて、3年目に残存価格がゼロになります。

これらのことから、10万円未満の備品類は消耗品費と同じ扱いで、20万円未満の一括償却資産は、3年後に残存価格がゼロになる前払費用のようなものと考えられます。

購入金額が20万円未満だと、償却資産税が節税できる

青色法人・青色事業者の場合、30万円未満の固定資産でしたら事業供用日に全額を経費に入れることができます。ただし、法人税や所得税(国税)に限った話で、償却資産税(地方税)では税金がかかる資産としてカウントされてしまいます。

例えば、29万円のパソコンを買った場合、法人税の計算では、青色法人の特例を使って29万円をその期の経費にすることができます。

しかし、償却資産税の申告では、29万円のパソコンは税金がかかる資産として申告しなくてはなりません。

法人税でも償却資産税の申告でも、それぞれ有利になる備品の買い方は、以下の①と②の方法です。

① 10万円未満の備品類で、消耗品費に入れたもの
② 20万円未満の備品類で、一括償却資産に入れたもの

この2つは、償却資産の申告においても、申告の対象になっておりません。
①や②の合計だけで150万円以上になっても、償却資産税がかからないというとです。

注意しなくてはいけないのは、20万円未満の備品類でも、消耗品費や一括償却資産にせず、固定資産に計上して減価償却した場合は償却資産税の申告の対象となってしまいます。
よくあるケースは、決算で利益を出したいときに、10万円未満の少額の備品であっても固定資産に計上して減価償却するケースがあります。

減価償却を選択した場合は、10万円未満の備品類も償却資産税の対象となり申告しなくてはいけなくなります。

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