言いにくいことを、独立開業したら言わなくてはいけない時がある

税理士 平林夕佳

独立開業したら、お客様に対して言いにくいことも言わなくてはいけないことがあります。

ダージリンティー。

会社員時代、営業や経理は担当部署があった

会社員のときは、小規模の会社社長や
フリーランスの方に対して、うらやましいと
思ったものでした。

いざ自分が独立して税理士事務所を開業して
みると、実は会社員の時の方が楽だった
かもしれない、と思うこともあります。

良いことと悪いことは表裏一体とは
言いますが、この言葉の意味を真に理解
したのが独立してからです。

独立して経営者・フリーランスになったら
与えられた仕事だけこなせば良い、という
訳にはいきません。

自分で営業をして、自分で経理もして
本業の仕事もしなくてはならないのです。

会社員の時は、営業と経理と税務の仕事は
分担されていたので、私は税務の仕事だけ
やっていれば良かったのです。

請求額についても、会社員時代は上司が
値決めしていましたので、
私が担当した仕事を、自分で値決めする
必要はありませんでした。

さらに言うと、仕事を請負うか断るか、
入り口は上司と代表が決めることだったので
私が担当する仕事は上司と代表の決定を
通過したものに限られていたということになります。

独立開業後、営業・交渉・経理・本業の税務は一人で

独立開業して「満員電車から解放!」と
最初の1ヶ月は伸び伸びできましたが、
いざ仕事の依頼が入ってくると、
戸惑うことがたくさんありました。

以前、「家族の食事会の領収書を
会社の経費で入れていいですよね?
たった数千円ですよ。」

と、契約前の初回打合せの段階で
言われたことがあります。その時に

「うちの事務所で、そういうのはやってないんです」

って言えますか?

中には悪気なく、経営者は仕事に関係無い
領収書でも、会社の経費にしていいと
思っていた、という方もいました。

そのため全員が確信犯的にチャレンジ
してくる訳ではありません。
なぜダメなのか、説明して納得して下さる方もいます。

「うちの事務所で、そういうのはやってないんです。」

会社員の時は、上司が窓口ですので、
言いにくいことは上司が言ってくれました。
しかし、独立開業して自分が窓口になったら
言いにくいことを自分の口で言わなくてはなりません。

個人事業者やフリーランス、値段交渉をやってますか?

お金のことは切り出しにくいことですが、
想定以上に手数が掛かったり、
質問が多いお客様に対して、
値段交渉をしていますか?

素晴らしい物を作っているのに、
あまりに安いと感じる顧問先様に、

「安すぎませんか?値上げしてもらったら
どうですか?」と言うことがあります。

しかし、「好きな仕事ができるだけで十分」
という回答が返ってくることがあります。

「損して得取れ」という言葉があるので
戦略的に安くすることはありますが、
「好きな仕事ができるだけで十分」では、
経営が行き詰ってしまいます。

税理士業ですと、経理業務や申告書の作成は
ある意味「職人技」と言われる職業です。

職人って値段交渉が苦手なんですよね。

私も会社員時代は、上から降ってきた仕事を
もくもくとこなす職人でした。

しかし、一経営者となったからには
事務所を「経営」していかなくてはなりません。

言いにくいことですが、一経営者になったら
値上げ交渉をしなくてはならないことがあります。

また、サービスに見合った値段ではないと、
その分、提供するサービスが薄くなって
しまい、結果としてお客様が損してしまう
ことがあります。

お客様の満足のためにも値上げが必要なら

「値上げをお願いしたいのですが」

と、言いにくいことですが、言えてますか?

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