おいしい店だから客が勝手に口コミ…してくれない

おいしい店だから客が勝手に口コミしてくれるとは限りません。

味に自信があるから、お客さんの口コミに期待してます

以前、カフェを始めた方に記帳指導に行ったことがあります。マスターが1杯ずつ時間を掛けて、ていねいに作るコーヒーをいただきました。一口飲んで、「おいしい」のです。香りが深く、苦みと酸味は強すぎず、私が好きなコーヒーのタイプでした。カフェではランチタイムに食事も提供しており、開店してから約1年、客も増えつつあるとお話していました。

売上は順調のような話しぶりでしたが、いざ帳簿を付けてみると実際のところは赤字でした。創業間もなかったため創業融資で資金繰りは回っていたのでしょう。店は、集客するには不利な立地だったので、どのようにして広告やマーケティングをおこなっているのか質問したところ、「食事メニューの研究をしてるし、コーヒーの豆もこだわりのあるおいしい豆を仕入れている。おいしいものを提供しているので、ウチの店に来たお客さんが勝手に口コミしてくれるんじゃないかと思ってます」。

感動する何かがないと、客は口コミしない

日本の飲食店のレベルは高く、どの店に入っても平均以上の味は期待できます。私は税理士の業界に入る前は、ヨーロッパに行くことが多かったのですが、よほどのことが無い限り、飲食店には入りません。宿の人におすすめの店を聞いてから行ったのに、「おいしくない」ことが多いのです。おいしくないものにお金を払いたくないので、レストランには行かなくなりました。もう20年以上前の話なので、今はおいしい店が多いのかもしれませんが。

それに比べると、日本の店で「おいしくない」と感じる店にあたったことはほとんどありません。日本ではおいしくない店は、すぐに淘汰されてしまうからです。

となると、日本ではどの店も平均以上においしい店ですから、「感動するくらいおいしい店」じゃないと、人はわざわざ口コミしてくれないのです。

ネットの普及で、「おいしい」だけではなく店員さんの接客が丁寧、居心地が良い雰囲気、インテリアなども感動して口コミしたくなる要素となっています。

自分で意識して宣伝してますか?

「人に期待してはいけない」といわれるように、人に期待する前に自分が動かないと周りは動いてくれません。これはどんな人間関係にも言えることですが、自分ができないことを人に期待していては、ご商売は繁盛しないのです。自分で腹をくくって独立をしたのですから、人が客を連れてくるのを口を開けて待っていては、いつまでたってもお客さんは増えません。

客のいない店で座って待ってても売上はゼロ円、チラシを駅前で配ったりポスティングしたり、近所の人に「一度店に来てくださいね」と声を掛けたりしても売上がゼロ円だったら、同じ売上ゼロ円でも行動するかしないかで、まったく意味が違うのです。

自分の人生を掛けて始めたご商売、何が何でも、しがみついてでも軌道に乗せるという気持ちでご商売が育ちますように、税理士の私は心から応援をしています。

Follow me!