商売は信用。ラッキンコーヒーの大きなミス。

税理士 平林夕佳

かつて企業の粉飾決算が問題となり、それ以降、企業の監査に重点が置かれるようになりました。今はコンプライアンス(法令や規則を守ること)が、投資家や社会的な信用を得るため当たり前になってます。

ラッキンコーヒーのホームページ

スターバックスコーヒーのライバルになるか、注目されたラッキンコーヒー

中国発祥のラッキンコーヒー。日本では聞いたことが無い人が多いと思いますが、スターバックスコーヒーのライバルになるのではないか、と注目された会社です。

ホームページを見ると、美味しそうなコーヒーとノートパソコンの写真を掲載しており、ノマドワーカーの仕事場になりそうな、スターバックスコーヒーをイメージして立ち上がったコーヒーショップのような印象を受けます。

さて、そのラッキンコーヒー、2018年1月に北京に1号店を出店し、2019年には本家スターバックスの店舗数を上回ります。

それだけではなく、2019年5月、アメリカのナスダックにも上場を果たしました。

まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、ぐんぐん店舗数を増やしたコーヒーショップです。

ナスダックに上場するも、ラッキンコーヒーの粉飾決算が発覚

スターバックスコーヒーのライバルとまで言われ、アメリカのナスダックに上場して1年も経たない2020年4月、ラッキンコーヒーが売上高を水増しして報告していたことを発表しました。

日本の中小企業では、税金を減らそうと売上げを隠すことは考えられますが、上場企業では投資家に注目される企業でなくてはなりません。そのため、売上を水増しして報告したのです。

この売上が水増しされたことで、ラッキンコーヒーの株価は急落し、2020年5月、上場廃止の見込みとなりました。

Yahoo financeより。ラッキンコーヒーの株価推移。

投資家は、企業の決算報告を信用するしかありませんので、その決算報告が間違っていたとなると何を信用したらいいのかわかりません。

信用を失うとあっという間、崩れるように株価が急落しました。

メールの返信・電話の折り返しで信用を付ける

企業の決算報告や、税務申告書をごまかす(脱税する)など、信用を失くすことが明らかなことだけをしなければ、信用を得られるという訳ではないでしょう。

小さい約束をコツコツ積み重ねること、これも大きな信用につながるものです。

営業職の方や税理士事務所のようなサービス業の方は、顧客とのコミュニケーションを意識してみましょう。

たとえば
・折り返し電話くださいと言われたら、必ず折り返しの電話をする。
・メールは常識の範囲内の期限で返信する。返信が遅くなる時はその旨いったんメールする。

客にとって連絡が無いということが、とても不安になることです。

誰でもできる簡単なコミュニケーションが、返信をすして折り返しの電話を掛けるということです。これらを必ずやることで信用が積み重なることでしょう。

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