議論しないで怒り出すのは昭和の頭
税理士 平林夕佳
自分と反対の意見を聞いただけで怒ってしまう人は、人と議論した経験の少なさや多様な価値観を受け入れる経験が足りていないだけです。令和の時代は多様性、異なる価値観の受け入れがビジネスチャンスにつながります。
港区立赤坂図書館で、本を入れるバッグをもらいました。とっても便利です。
自分と違う意見に対して怒りだす人、排除する人
私が参加している地元の情報掲示板で、参加人数が1万人規模のコミュニティがあります。
しかし1万人のコミュニティに膨れあがると、規定を定めないとまとまりがつかなくなってしまいます。
そこで、掲示板の利用指針、細則が設けられました。
例えば掲示板をネットワークビジネスなど勧誘ビジネスで利用しない、婚活の場にしない、政治・宗教観は書き込まない、など、誰が見ても不快に感じる書き込みを禁止する決まりです。
しかし、飲食店などお店の宣伝を投稿することに対しては、人によって感じ方が違うようでした。
コミュニティの細則ではお店の宣伝について「初めての紹介以外は…イベントや安売りなどの案内で…」と示されてますが、ほぼ毎日のように宣伝で投稿している人もいます。しかし「細則違反」と指摘する人はいませんでした。
ところが最近のコロナウィルス騒動で東京都が外出自粛要請を出してから、掲示板に一石を投じる人が現れました。
今はその投稿が削除されており、内容を確認できなかったのですが、要約すると
「この時期(コロナウィルスで外出自粛要請が出ている時期)に、まだ店の宣伝をするのですか。飲食店(大勢で大きい声で会話しながら食事をする居酒屋を想定していると思います。)は宣伝を自粛したらどうですか。今、守るのは命です。」
という投稿でした。
この投稿に対して、「店の宣伝をしたらいけないのですか?楽しみにしている人もいますよ。あなたが宣伝を非表示に設定すればよい」とか、「あなたをブロックします」と、飲食店の宣伝反対の意見に対しての批判が8割ありました。
この一連のコメントを見て思ったのは、日本人の欠点として「反対意見に対して議論するのではなく、怒り出す、排除したがる、無視をする」ということです。
欧米の人と話をして、自分と違う意見を言ったという理由で怒り出す人を見たことがありません。日本では、人と同じことをして目立たず主張しないことが美徳とされる教育が原因なのかもしれませんね。
しかし、外国人の受け入れを増やしたり、日本から海外へ出て働く人もこれから増えるでしょうから、日本だけで通じる価値観で生きていくことは難しいと思います。
外国の人は思いもよらないことを言ってきたりするので、多様な価値観、その人のバックグラウンドを理解しないと、仕事もうまくまわりません。
反対意見を言われただけで怒っていては、自分がつらくなってしまうと思うのです。
自分の意見と反対の立場に立って議論してみる
学生のときに議論の練習で、敢えて反対意見に立って相手と議論するという授業がありました。反対意見に立って議論しても、話すことは何も出てこないと思ったのは取り越し苦労で、自分の意見と反対の立場から議論することは十分可能でした。
逆に、敢えて反対意見の立場に立つことで論法を組み立てることができるので、反対意見から議論してみる練習にも意味があります。
自分と違う価値観を受け入れると大きなチャンスになる
まずは、日本人の中でも自分と違う意見や考え方があるということを受け入れることが大切です。みんなが自分と同じ考えだとしたら、思想をコントロールされているようで、逆に異常とも思います。
反対意見を排除するということは、多様性を認めず、異なる価値観を受け入れないということと同じです。
反対意見を聞き、いったん自分の中に落とし込むことで相手の気持ちが理解でき、反論するための論述の組み立てをすることができます。相手の意見を聞くということは、戦術を組み立てるために必要なことなのです。まさに、「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」です。
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