故人の口座が凍結されたら、預金は引き出せないの?

税理士 平林夕佳

亡くなった人の銀行口座は、いずれ凍結されます。故人の口座から預金は引き出せないのでしょうか。

ノルウェークローネ。

死亡届を出すと、故人の口座から預金が引き出せない?

人は亡くなると葬儀に出されますが、葬儀代はピンからキリまで、高額だと数百万円は掛かってしまうと思います。

会社の社長だったり、付き合いが広い方だと呼ぶ人が多くなるのでその分、葬儀代が跳ね上がります。

まとまった大金を家に置いておく人は少ないので、「とりあえず葬儀代が引き出せるうちに」と、慌てて銀行に行く方がいますが、死亡届を出した時点で銀行口座が凍結される訳ではありません。

死亡届は役所に出しますが、役所から金融機関へ連絡することはありません。

銀行は、その方が亡くなったこと知った時に、故人の口座を凍結します。

銀行が知るタイミングは、亡くなった日の残高証明書の発行依頼があった時や、

親族が本人に代わって預金を引き出すことになるため、銀行から本人確認を求められる時となります。

それで本人が亡くなっていることを銀行が把握するため、故人の銀行口座は凍結されます。

逆に、故人が亡くなったことを銀行が把握する前なら、葬儀代は引き出せることになります。

口座凍結後でも、故人の口座から合法的に預金は引き出せる

銀行が把握する前なら故人の口座から預金は引き出せますが、万が一ということがあります。

葬儀代を引き出したい、生活費は亡くなった故人が負担していた、人に立て替えてもらっていたお金を返さなくちゃいけないなど、様々な理由があります。

そこで、平成30年7月の民法改正によって、民法第909条の2(遺産の分割前における預貯金債権の行使)が創設されました。

 

e-Gov より。

① 故人の預金残高の3分の1 × 法定相続分等の規定で算定した相続分 - 既に単独行使した金額の合計
② 150万円
③ ①と②のうち、いずれか低い方の金額

つまり、銀行一行に対して最大150万円まで、単独で故人の口座から引き出すことができます。

銀行口座が複数あるようでしたら、銀行の数×150万円まで、単独で引き出すことができます。

故人の口座から引き出してしまった方が得なのか

故人の口座から単独でお金を引き出せると民法上は規定がありますが、実際の手続きは手数が掛かるようです。

さらに既に引き出された相続財産も加味して遺産分割されるため、故人の口座からいち早く預金を引き出したからと言って、遺産分割協議で得するということはありません。

民法第909条の2は、あくまで当座で必要な葬儀代や生活費に充てるための、仮払い的な引出しになります。

★★★

港区赤坂にある当税理士事務所では、「起業したい」「相続のとき、税金はどのくらいかかるか」など、起業・相続に関するご相談をお受けしております。

税理士 平林夕佳へのお問い合わせは こちら

★★★

全国対応のみならず、海外からのご相談にも
対応してます。

★★★

Follow me!