家を買う時のチェックポイント。事前調査は入念に。
税理士 平林夕佳
確定申告時期になると、所得税についての簡易な無料相談があちこちで開催されます。
今年は家を売った時の申告の仕方を質問する方が、例年より多いような気がしました。
家を売った時、要件に該当すれば確定申告をする
所得税確定申告の無料相談で、
譲渡所得の申告についてのご相談が例年より多いような感じがします。
自宅や賃貸物件を売ったことで確定申告をしなくてはならないのは、売却益が出た方です。
去年の3月、不動産仲介業の方が「新型コロナの影響が読めないから、リーマンショックの再来になるかもしれない。」
そのため、「リーマンショックの再来が来る前に売却したい、というご相談が多い」とおっしゃっていました。
ところが、政府が金融緩和をしたため、不動産価格の大幅な下落は避けられました。
そのため、ここ10年、20年の間に家を買っていた人は不動産の売却益が出ている方が多いようです。
不動産の売却益が出ていれば、翌年の確定申告時期に譲渡所得の申告をしなくてはなりません。
一般的に、物は買った時点から値段が下がる
「家は購入した時点で、住んでなくても転売する時は値段が下がる」のが当たり前ですから
私は「家は資産ではない」というスタンスでした。
しかしここまで金融緩和で資産バブルが続くと、今までの常識が覆されて、新しい考え方を取り入れることも必要でしょう。
バブル相場でぐんぐん資産価値が上がれば、今までの常識から外れたことが起こります。
その時に、なるべく損をしないように家を買うにはどうしたらいいか?と考えるわけです。
1.今後も資産インフレが見込める。
2.家を買うなら、頭金を全力で貯める。
3.人口について、流入から流出を引くとプラスになる場所。
4.資産価値が下がりにくい場所(一般的に都市部)。
5.住宅ローンの返済期間を10年にする。
あたりがポイントかと思います。
「3.」「4.」については「そこに住みたいという人がいる」、需要がある土地に家を買うことが重要です。
資産バブルが続いたとしても、需要が無い土地ならば買い手が見つからず損失が出る可能性が高いです。
「5.」については、住宅ローン控除の税制の優遇を受けるために、「返済期間10年以上」の要件が必要です。
だからと言って、長すぎる返済期間でローンを組むと、将来何が起こるかわからないため、10年が丁度良いのではないかと思いました。
また、うまい具合にインフレが進めば金利が上昇するリスクがあります。
家を買う、都合が悪いことも想定する
今は金融緩和で資産バブルの状態です。
しかし、バブルはいつか弾けるためリスクも考慮しなくてはなりません。
家を買う、しかし将来的に売却する時はなるべく高い値段で売りたいならば、
その土地、場所の入念な事前調査を忘れずに行いましょう。
※ 私は不動産販売業者ではないので、家の購入を勧めている投稿ではありません。
さらに言うと、私は今でも賃貸派寄りだと思います。