家賃を払うなら家を買った方がトク、それホント?

住宅展示場に行くと「家賃を払い続けるなら買った方がトクですよ」と営業の方に言われました。

「家賃を払うなら、マンションを買ってしまった方がおトク」と言われますが…

私は10年ほど前に、家を買ってしまえば家賃を払い続ける心配が無くなるという思いでマンションのモデルルームに足を運んでいました。その頃はまだ税理士試験の受験勉強を始めて間もない時で、税理士事務所に勤務する給与所得のサラリーマンでした。

不動産販売の営業担当者の説明でよく出てきたのが「ローン返済予定シミュレーション」です。私の当時の年収からローンが組める限度額を予測し、頭金として用意する金額と借入金ローンの合計額で購入可能な価格を提案してくださいました。

いくらローンを組めるか決まると、営業担当者は「毎月のローン返済予定額」と、「毎月の支払家賃」を比較した資料を提示します。その「毎月のローン返済予定額」と「毎月の支払家賃」を比較して「家賃を払っていても何も残らない、ローンの返済予定額と家賃がほぼ同額なので、買ってしまった方がおトクですよ」と言うわけです。

その時は悩みましたが、結局はマンションを購入しませんでした。マンション購入を悩んだ時期はリーマンショックの前の年でしたので、その時に買ってたら翌年のリーマンショックでマンションは大暴落となっていたのです。

このように、不動産を買うか買わないか悩むのは、買った後にマンションの値段が下がることのリスクではないでしょうか。

実際、地価は上がっているのか。地価公示を調べる


グラフは国土交通省が提供する「変動率及び平均価格の時系列推移表 」の平成25年から平成30年、東京圏・大阪圏・名古屋圏の用途地域が住宅地の価格の対前年度変動率のデータをグラフ化したものです。

平成26年に急に変動率が上がっていますが、三大都市圏の人気のあるエリアでさえ平成26年以降は住宅地に限っては横ばいの状態です。

マンションや家を買おうかどうか悩んでいて、将来的に地価が下がってしまうリスクは負えないという方は、国土交通省の地価公示のデータを参考にしてみましょう。

地価が上がればマンション資産の価値が上がり、地価が下がれば資産は目減りする

マンションなど不動産を買うかどうか悩むところは、将来、土地の価額が上がるのか下がるのかです。仮に土地の価額が毎年1%ずつ下落したすると、毎年1%ずつ資産が減っていくということになります。たとえば、1,000万円で買った土地が、毎年土地の価値が1%ずつ下落していたとすると、毎年10万円ずつ資産が減っているのと同じになります。

不動産を買うときには、その土地の地価の推移を調べることが大切です。そして、地価が下落している場所や時代にマンションや家を購入するのでしたら、「家賃を払うよりトク」などと人の意見にまどわされず、「必要だから買う」というように自分にとって必要かどうか、必要性で判断して購入を決めるようにすれば、後悔の無い買い物になるでしょう。

 

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