住宅ローンは10年返済でシミュレーションする
税理士 平林夕佳
家族構成の変化で、家を住み替えた方が快適に生活できるようになります。住み替えを考えると住宅ローンは10年が無難でしょう。
夏は体力を消耗するので、扇風機とお昼寝まくらでシエスタを充実させます。
住み心地の良い家は、家族の構成によって変化する
若い夫婦が家を買う時、子供の人数を考えて家を買うと思います。
標準的な世帯を例に取ると、夫婦と子が2人を想定して家を選びます。子どもがまだ小さければ夫婦が若い時に住み始めた家で十分ですが、子が働き始めたとき、結婚して家を出たときを想定すると、家族が減り当初住み始めた家の広さと家族の人数が合わなくなります。
子が独立して家を出た頃は夫婦もまだ若いので、広い家に夫婦2人でも家を維持していくのに何の不自由も感じないと思います。
しかし、夫婦が年を取るにつれて、広すぎる家の掃除や管理が体力的に難しくなっていきます。夫婦2人で2階建ての一軒家に住んでいる世帯は、1階だけで生活するようになりますし、足腰が悪くなったらなおさら、2階に上がることもありません。
そうなると、家族構成によって家を住み替えることを想定して家を購入する方が、快適に生活できるということです。
10年単位で家族構成をシミュレーションし、住宅ローンを組む
小学生の子供がいる家族は、10年後に子供は高校生・大学生・社会人になっています。となると、10年後には家族構成が変わっている可能性が出てきます。その時に、今住んでいる家を住み替えるかどうか、という議論が出てくる可能性もあります。
仮に、住み替えると判断した場合、住宅ローンは終わっていることが理想です。
さらに住宅ローンの返済で、住宅ローン控除による税金のメリット(住宅借入金等特別控除)が受けられるのが、10年間ということもあります。
コロナの影響で収入が減少し、住宅ローン返済に不安
また、新型コロナウィルスの影響で収入が減り、住宅ローンに頭を抱える世帯が増えていると報道されているように、長期でローンを組んでしまうと、何かがあった時に住宅ローンが不安要素になることも理由です(日本経済新聞『住宅ローン不安、高まる20~30代コロナ禍で収入減』)。
ここ何年かは、金融緩和による住宅ローンの利率が安く、消費税率が5%から8%に上がった年に駆け込み需要で家を購入した人も多くいらっしゃったようです。
消費税率が8%に上がった頃は、アベノミクスで地価が毎年上がったため「土地が値上がる前に買っておこう」という心理的要素で住宅需要が後押しされたのではないでしょうか。
しかし、長期で住宅ローンを組むと、不測の事態に陥った時に不安になってしまいます。ローン返済が滞らないように対策を立てることはできると思いますが、そういう不安要素はなるべく排除したいですね。
まとめ
家の住宅ローンを組むなら10年がお勧め。なぜなら家族の構成が変わるし自分が年を取った時に広すぎる家は体に負担が掛かるためです。
そして長期のローンを組むと、今回のコロナによる収入減など、返済に困ることが長期の間に出てくる可能性があるからです。
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