若いうちは貯金しない、でも種銭は貯めて準備する
税理士 平林夕佳
お金は貯金しないで使った方がいいのか、貯金したほうがいいのか?私の考えです。
自己肯定感
「自分に投資する」という言葉はとても耳障りがよく、無駄遣いの
罪悪感から解放される気持ちにさせてくれます。自分に投資
といっても様々で、勉強、旅行、趣味、飲み会などが思い浮かびます。
勉強→自分に返ってくる、自己研鑽
旅行→見聞を広める、自分の視野が広がる
趣味→趣味に没頭することで仕事にも力が入る
飲み会→多くの人と知り合う、人脈が広がる
というのが、自分に投資する(お金を使う)理由になると思います。
お金を使うと発生する経済的効果
1990年代にバブルがはじけて、日本経済は不況の時代に入りました。その時代に人はさらにお金を使わなくなり、貯金する人が増えました。
バブル期を経験した人の話を聞くと、「お金を使っても、すぐに入ってくるから稼いだ分使う」と言う方が多かったです。サラリーマンでも貯金せずにお金を気にせず使っていたという話を聞きます。
なぜ、お金を使うと良いのか。それはお金を使うと経済が回るからです。
バブル時代は物も高く、何でも高かったがお金が回ったので景気も良かったのです。そのバブルがはじけてお金が貯金に回されると、消費が減り売上が伸びなくなってしまいます。
そのなかでも何とかお金を使ってもらおうと、物価は安くなります。物価が安くなると賃金も下がり、ますます人は財布の紐が固くなります。
経済が活性化するためには、お金を使ってお金が回れば、少しずつ景気が良くなるという理論が成立します。
そのため「お金を使う=悪」ではありませんから、書籍で出版している著者も「お金は貯めずに使いなさい」とメッセージを出しているのでしょう。それにお金を使う理由があれば(自分への投資だから、など)その罪悪感から解放されて、肯定的で意味のある支払いに変わります。
お金を使うことは良いことなのか
ここで、私は幼いころから「無駄遣いはだめ」と教育されてきたので「金は貯めこむな」「お金を使うことは自分への投資だ」と言われてもはいそうですね、と素直に思うことが難しいのです。
確かに、お金は使わないと価値が出ず、使って初めて価値が出るものです。しかし、本のタイトルだけ見て、中を読まずに「よし、貯金しないでどんどん使おう」というのは、ただの無計画で浪費に終わります。
何か始めたいけど何から始めていいのかわかない人は、とりあえず「お金をためた方がいい」と思います。種銭がたまれば、株式投資や資格取得のための勉強代、何か商売を始めたいときの元金になるからです。
そのため、今後、何をしたいか明確な人はお金を貯めこまずに使うことも大切ですが、何をしようか自分のやりたいことが明確ではないという人は、とりあえず貯金して種銭を作るということも大切です。
人の意見にまどわされないように、自分の軸をしっかりと持ってから「金はためずに使え」の意味を理解するようにしましょう。
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