「根無し草」は経営者にとって悪いことではない

 

by 税理士 平林夕佳

根無し草、住まいや仕事が転々と変わる人

幼少期に祖母から「根無し草」という言葉を聞いた記憶があります。調べると、住まいや仕事が長続きせず、転々と変わる人のことを根無し草と言ったようです。

大学生の頃、夏休みに自転車で北海道を旅行したことがあります。旅行先での宿泊は、もっぱらライダーハウスやキャンプ場です。

そして、ライダーハウスやキャンプ場には、「主」と呼ばれる人によく会いました。説明するまでも無く、主は長期間滞在している旅行者のことです。

長期間ライダーハウスに滞在して、お金はどうしているのだろう?と不思議でした。話を聞くと、農家のお手伝いで滞在費を稼ぐのだそうです。そして、収穫が終わったら次のバイトを探します。

このように、定住せず職を転々と変える「主」のような人を、根無し草と呼んでいました。

根無し草、昔は否定的な意味で使われた

私が大学生の頃は、「転職は人生の失敗」という価値観でした。たとえば、大学の友人と集まった時「会社を辞めるのはバカ」と言った先輩を、今でも覚えてます。

その発言の真意は、仕事を覚える前に辞めると何も身に付かないからバカ、と言いたかったようです。当時は、石の上にも三年、我慢すればやがて報われるという考えだったため、昔の価値観が刷り込まれているからこその発言に思いました。

確かに、私が学生の頃は、流行や技術は10年サイクルで新しくなっていました。そのため、10年間1つのことを続けないと実らないという考えも、当時は正しいと言えるでしょう。「10年ひと昔」と、10年を一つに区切っていることから理解できます。

ところが、現代はどうでしょう。昔なら10年で変化していたものが、今は2~3年経つと「古いもの」になっています。ひょっとすると、1年もしくは半年で変化しているかもしれません。

そうすると、昔のように1つのことに10年打ち込んでいる間に、すでに古くなっている可能性があります。

根無し草、「フットワークが軽い」とも言える

昔は、技術や流行のサイクルが長かったため、続けることに価値がありました。ところが現代は、技術や流行のサイクルが昔ほど長くありません。そのため、同じことを長期間続けるのは、リスクになる可能性があります。

時代に合わせて住みやすい国に住み、条件の良い職に就くことは、フットワークの軽い人とも言えるでしょう。

目的を持たずに「石の上にも三年」を守る必要は無く、人に流されることも無く、その時代に合わせて柔軟でありたいと思いました。

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