年金を受けている方が亡くなった。未支給年金の申告はどうなる?

税理士 平林夕佳

年金を受ていた方が亡くなった後、未支給の年金を遺族の方が代わって受取ることがあります。未支給年金は亡くなった方の相続財産に入るのでしょうか、それとも受取った方が所得税で申告するのでしょうか。

六本木交差点。今日は麻布税務署へ行きました。

年金を受けていた方が亡くなると、未支給年金が発生する

年金の支給が開始されると、2ヶ月に一回、偶数月の15日に年金が支給されます。つまり年金の支給日は、2月、4月、6月、8月、10月、12月の15日です。支給日には支給日の月の前月と前々月分の年金が振り込まれます。

つまり、6月に支給される年金は、4月分と5月分の合計が6月15日に支給されることになります。

年金を受けていた方が亡くなったら、年金を受ける権利が無くなるため「年金受給権者死亡届」を提出します。届出書の提出によって年金の支給が終了します。

しかし、亡くなった日以降に支給された年金のうち、亡くなった月分までの年金が未支給のままになってしまうことがあります。亡くなった方が受取るはずの年金は誰が受取り、税金の申告はどうするのでしょうか。

未支給年金を受取れる遺族とは

本来でしたら被相続人(亡くなった方)が受取る予定だった年金ですが、亡くなったことにより受取る権利が無いため、遺族(相続人)が代わりに受取ります。

亡くなった方に代わって未支給年金を受取る権利がある遺族は、

①配偶者
②子
③父母
④孫
⑤祖父母
⑥兄弟姉妹
⑦その他、上記以外の3親等内の親族

となります。亡くなった方と生計を同じくしていた上記の遺族が、①→⑦の順番の権利で受取ることができます。

ここで、未支給年金は相続税の申告の対象となる財産に入るのでしょうか?それとも、未支給年金を受取った遺族が所得税で申告することになるのでしょうか。

未支給年金は、受取った遺族が所得税の確定申告で申告する

亡くなった方の未支給年金は、相続税として申告しなくてはいけない財産ではありません。受取った遺族の方が、所得税の確定申告で申告をします。

所得税申告をする時に、未支給年金は「一時所得」で申告をします。所得税は、申告する人の1年間のすべての収入を申告する必要があるので、サラリーマンの方は会社から「源泉徴収票」を発行してもらいましょう。会社で年末調整が済んでいると思いますが、確定申告をしなくてはならない場合、年末調整後の給料も所得税の確定申告が必要になります。お給料は給与所得の欄に、未支給年金は一時所得の欄にそれぞれ記入し、申告します。

一時所得とは、経常的に発生する所得ではなく、その名のとおり、毎年発生するものではなくたまたま発生した所得のことを言います。未支給年金のほか、生命保険金の満期や解約によって払い戻された払戻金、懸賞で当たった賞金、競馬などの払戻金が一時所得に該当します。

 

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