税理士顧問料の料金表、10分カットvs.美容室の比較で説明できる
税理士 平林夕佳
税理士業など、商品を販売しない業種は料金表を作ったり値段を付けることに悩むようです。10分カットと美容室サロンの比較を参考にしましょう。
FAUCHONのクッキーが入っていた缶。ポケットティッシュのケースにしてテーブルに置いてます。
サービス業では、料金表を作るのが難しい
サービス業の会社(以下「A社」とします。)の社長と面談しました。A社はB to C事業で消費者からの口コミ評価も良く、ていねいなサービスを提供している様子が伺えました。
A社の料金表は、同業他社と比較すると安いように思いました。口コミに「安くて良かったです」という投稿があったことも気になっていた点です。そのため私がA社のホームページを拝見して感じた「料金が安い」ということと、口コミに「安くて良かった」というのが気になったことをお伝えしました。
A社社長が「丁寧なサービス心掛けているので、私も料金が安すぎると思っていた」ということをお話されていたので、「サービス料の値段の決め方、料金をどのように決めるか」の話になりました。
10分カットと美容室サロン、料金の違いは何で決まるのか
同じサービス業として、理・美容業に置き換えて考えてみましょう。シャンプーやパーマ剤などの薬剤を購入する必要がありますが、薬剤の値段はそんなに高くはないです。顧客が支払う代金のほとんどは美容師への技術料です。
美容室サロンの料金表を見ると、カットは料金が安く、パーマやカラーリングなど時間が掛かるものほど料金が高くなっています。つまり料金表は美容室で座っている時間の長さに比例していることがわかります。
そこで、10分カットと美容室サロンを比較してみましょう。10分カットは1,000円で髪を切ることができますが、美容室サロンですと私が利用している美容室はカットに1時間掛けて6,000円~です。
値段だけ見ると10分カットは安いのですが、時間で比較すると1時間あたりの売上は美容室サロンと同じです。
さらに美容室サロンでは、担当する美容師の技術が高いほど、技術料が高くなります。
税理士の顧問料も、顧問先への関与度合いで値段が変わる
私が身を置く税理士の業界でも、10分カットと美容室サロンの値段の決め方と同じ理論が当てはまります。
税理士業界ですと、
1.税務や会計については自社でしっかりやっているので、税理士への顧問料は安く抑えたい。
2.毎月相談したり、税務や会計の内容についてもしっかりチェックして欲しい。
3.帳簿書類の会計システムへの入力もお願いしたい。
4.税理士に担当してもらいたい。
と、税理士事務所に依頼したい内容が会社の状況によって違います。かかる手間と時間、そして担当する担当者のレベルによって顧問料が決まります。美容室サロンで、技術が高い人ほど技術料が高くなるのと同じですね。
税理士が販売する技術料は、知識と経験です。税理士は「仕入れ」が無いから経費は掛かってないと思われますが、税理士試験の受験勉強の段階ですでにお金と時間をかけて知識の「仕入れ」をしてます。資格を取った後も研修を受ける義務があり、実務に就いても常に知識の仕入れをしています。仕入れた知識は頭の中にストックした棚卸資産と同じです。
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