私が確定拠出年金、iDeCo(イデコ)を「20代前半の方に」勧めない理由

税理士 平林夕佳

確定拠出年金、iDeCo(イデコ)って、節税対策で掛ける方がいいのでしょうか?

2019年12月26日 日本経済新聞より

確定拠出年金、iDeCo加入者の枠を広げたいような改革案です。

 

確定拠出年金、iDeCo(イデコ)とは

「確定拠出年金」とは、拠出(掛金)を確定し、加入者ごとに資産を運用・管理させて、運用実績に応じて年金の受取額が変わるものが確定拠出年金です。

それに対して「確定給付年金」というものがありますが、確定給付年金は、将来受取る給付額を確定させて、企業が運用・管理し、決まった額が加入者に支払われるしくみです。

今回は確定拠出年金、iDeCoについて、取り上げることにします。

確定拠出年金は、企業型と個人型の2種類に分けられます。

企業型は企業が掛金を支払い(全額事業主負担)、従業員は自分でその掛金を運用します。

個人型は自分で掛金を支払い自分で運用します。支払った掛金は、運用実績に応じて将来年金として受取ります。

まさに年金受取額は自己責任、自分で運用した運用実績次第です。

確定拠出年金は日本版401kとも言われ、2001年に運用が開始しました。

当時、私は一般企業で働いていて「会社員も自己責任で年金を運用する時代になった」とか、「日本版401kが導入された」と騒がれていたのを覚えています。

個人型の確定拠出年金制度は、制度の改正に伴い、2017年からサラリーマンや公務員も個人型確定拠出年金に加入することができるようになりました。

そしてその改正に伴い名称もiDeCo(イデコ)と名付けられたのです。

確定拠出年金、iDeCo(イデコ)のメリット・デメリット

★メリット★
1.年末調整や確定申告で、支払った掛金の全額を所得控除額に算入できる。
※ 生命保険料ですと、一般・年金・介護の3つあわせて12万円の控除額が最大ですので、払った全額が所得控除されるのは魅力的です。
2.運用益が非課税。
3.受取時、一時金か年金で受取ることができ、一時金→退職所得扱い、年金→年金所得(雑・公的年金等)で受取るため所得控除額が有利。

☆デメリット☆
1.60歳になるまで、解約できない。
※ 一定の場合解約できるようですが、基本的に長期運用商品です。

私が確定拠出年金、iDeCoを「20代前半の人に」勧めない理由

私がiDeCoを「20代前半の若い人に」お勧めしない理由は、60歳まで解約できないという一点です。

20代前半で、将来の選択肢がたくさんある年代でしたら、毎月数万円をiDeCoに預けるのではなく、種銭を貯めた方が自分への投資になると思っています。

月2万円だと、1年も経たないうちに20万円貯まります。

20万円もあれば、自分への投資の勉強代としてセミナーやスクールに通ってスキルアップしてもいいでしょう。スキルアップできればもっと良い給料の職場へ転職できる可能性もあります。

株式投資も今は小額から投資できます。20代でしたらお金や投資の勉強をして、多少リスクを取る資産に投資してもいいかもしれません。

その場合、自分で勉強してから投資先を決めることです。

投資の勉強は、まずはTwitterで充分かと思います。高額な授業料を払ってセミナーを受ける必要はありません。

iDeCoを20代前半の方に勧めないと書いてきましたが、全員に勧めないのではなく、ある一定の方にはお勧めしたいと思います。

以下の条件に当てはまる方は、加入するメリットはあると思います。

・既に預貯金をたくさん持っていて、60歳まで使わない予定の余剰資金がある方。

上記に該当する方は、20代前半のうちからiDeCoに加入しておくと、節税にもなりますし、将来の資産形成に役立ちます。

《注意事項》
私が確定拠出年金、iDeCoを勧めない理由は、個人的な見解によるものですので、加入の判断は賛成派の意見も頭に入れて、自分で判断してから決定してください。

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