相続した賃貸不動産の確定申告2~家賃収入を申告する相続人は誰か、減価償却方法について~

Bericht und Foto :税理士 平林夕佳 geschrieben.

確定申告の時期に入り、以前投稿した記事『相続した賃貸不動産の確定申告1~減価償却費の計算と青色申告に注意する~ (2020年1月6日 投稿)』への検索ワードが増えたので、相続した賃貸不動産の確定申告について続きを投稿します。

 

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相続で賃貸物件を相続した人は、確定申告で不動産所得を申告する

亡くなった方が賃貸物件を所有していた場合、その方は不動産所得の確定申告を毎年していたことになります。
その方が亡くなり賃貸物件を相続したら、その相続人が家賃収入について不動産所得の確定申告することとなります。

相続人がサラリーマンの方ですと、今まで会社で年末調整をしておしまいでしたが、会社から源泉徴収票を発行してもらい、給与所得と不動産所得を併せて確定申告します。

相続人が1人の場合、被相続人が亡くなってから発生する家賃収入をまるまる自分の不動産所得として申告しますが、相続人がA、B、Cの3人いた場合、誰の家賃収入に付けて確定申告するのでしょうか。

 

被相続人(亡くなった方)が遺言書を書いていた場合

被相続人(亡くなった方)が遺言書を書いていて、賃貸物件の相続をする方が決まっていた場合は、その賃貸物件を相続する方が相続開始後の家賃収入を確定申告します。

しかし、被相続人が遺言書を書いておらず、遺産分割協議によって相続人の間で話し合いをする場合、亡くなった日から遺産分割協議がまとまる日までの間について、家賃収入や賃貸物件が誰にも帰属しない期間が存在してしまいます。

遺産分割協議がまとまり、誰がどの財産を相続するか決まれば、遺産分割協議がまとまった日以後の賃貸物件を相続する方の家賃収入として確定申告できますが、それまでの空白の期間については誰の家賃収入となるのでしょうか。

 

亡くなった日から遺産分割協議が確定した日までの間は、法定相続分で按分して申告する

被相続人が亡くなった日から遺産分割協議がまとまる日までの間は、相続人が共有で財産を所有していたと考えて、家賃収入もそれぞれ法定相続分で按分して申告します。

ここに法定相続分とは、相続人がA、B、Cの3人いた場合で、A、B、Cの3人が兄弟だったとすると、それぞれ法定相続分は3分の1ずつです。

兄弟の相続人A、B、Cが、その被相続人が亡くなった日から、遺産分割協議がまとまった日までの家賃収入を3で割り、家賃収入に掛かった経費や減価償却費もすべて3で割って、3人がそれぞれ不動産所得の確定申告をすることになります。

例えば、被相続人が平成31年2月1日に亡くなり、令和1年8月1日に遺産分割協議がまとまった場合、平成31年2月1日から令和1年7月31日までの家賃収入と経費・減価償却費を3分の1ずつに分け、収入・経費を3人がそれぞれ確定申告します。

遺産分割協議でAが賃貸物件を相続したことが決まった場合、8月1日以降の家賃収入と経費・減価償却費については、すべてAの収入・経費として確定申告します。

 

減価償却費の計算で、償却方法は被相続人の償却方法は引き継げない

固定資産の減価償却費を計算する際、「定額法」や「定率法」の償却方法を選択して減価償却費を計算します。

減価償却方法も改正が入り、「旧定額法」や「旧定率法」のように「旧」が付く償却方法と、通常の「定額法」「定率法」とは計算の仕方が異なります。

「旧」が付く償却方法は、平成19年3月31日以前に取得した資産に対して適用されます。

被相続人が持っていた賃貸物件について、被相続人が「旧定額法」で減価償却費を計算していたとしても、平成19年4月1日以降の相続で賃貸物件を相続した相続人は「旧定額法」で減価償却費を計算することはできません。

償却方法は相続で引き継ぐことはできず、相続人は「定額法」により賃貸物件の減価償却費の計算をします。

 

★まとめ★
亡くなった方が賃貸物件を持っていて、相続人が複数人いる場合、遺言書があれば遺言書に書かれた人が不動産所得の確定申告をします。

遺言書が無く、遺産分割協議で遺産を分ける場合、亡くなった日から遺産分割協議がまとまる日までの期間は法定相続分に応じて相続人がそれぞれ確定申告します。

減価償却方法は、相続で引き継ぐことができないので、定額法または定率法で減価償却費の計算をおこないます。

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