2024(令和6)年、所得税確定申告で多かった質問
by 税理士 平林夕佳
所得税確定申告電話相談センターに従事する理由
毎年1月から3月の所得税確定申告期限まで、所得税確定申告電話相談センターが設置されます。
この所得税確定申告電話相談センターは、所得税の一般的な質問に対応する窓口です。そのため、普段税理士の関与が無い方が利用されます。
所得税確定申告電話相談センターへは、税務署へかけた電話からつながりますが、対応は税理士です。
この電話相談に寄せられる相談は、顧問先から受ける相談と違い、より一般的で身近な税の相談が多いと感じます。
さらにその質問内容から、その時代の経済状況などが直接伝わってくるのです。
以前、ブログに 確定申告電話相談センターに従事することで、社会の制度を学ぶことがある を書きましたが、一般の納税者から質問を受ける事で、去年1年間がどんな年だったのか、世相がだいたい伝わってくるのです。
過去の統計情報は検索すればすぐに出ますが、直近の去年の状況を把握するのに、この所得税確定申告電話相談センターはとても役に立ってます。
2024(令和6)年、所得税確定申告で多かった質問
さて、所得税確定申告電話相談にわずかですが従事した結果、2024(令和6)年の確定申告で多いと感じた質問は、やはり「定額減税」でした。
定額減税は、令和6年の所得税から3万円を補填し、補填しきれなかった分は役所から給付金が支給されます。収入がある人は税で調整し、非課税世帯だと給付金となり役所で調整されます。税金が関係するのは減税だけですが、給付についての質問も寄せられました。
そして次に多かった質問は、「所得税確定申告書等作成コーナー」に関する質問です。
所得税確定申告書等作成コーナーは、国税庁が提供する申告書作成サイトです。申告書を手書きしたり、電卓をたたくことなく、数字を打ち込むだけで申告書が完成する優れもののサイトです。
最近、マイナンバーカードの保有率が高まったせいか、作成コーナーで申告書を作成し、そのままeTaxで申告される納税者が増えたと感じます。
ちなみに、システム的な質問はeTaxヘルプデスクへ、作成コーナーに出てくる所得税の言葉の意味などは所得税確定申告電話相談センターへ質問することとなってます。
最後に、不動産を売買した時の税金と住宅ローンに関する質問です。以前より減ったような気がしますが、1日数件は受けました。
住宅ローン控除の質問が減ったのは、不動産価格の高騰で家を買いづらくなったからではないでしょうか。
そして、住宅ローンを組んで家を買う人が減ったと同時に、家を売る相談も減りました。私は、資産税に興味があるため、不動産に関する質問が増えた、減った、などは気にするようにしてます。
2024(令和6)年、所得税確定申告書の控えに収受印を省略
所得税確定申告電話相談センターの話から外れますが、令和6年、所得税確定申告書の提出以降、控えに収受印を押さなくなりました。
多くの人がeTaxで申告するようなので、収受印の省略は関係が無い人が多いと思います。ところが、紙で提出したいという人はまだ一定数います。
紙での提出希望者がいるので、その人の申告書を税務署の窓口に持参し、紙で提出してみました。すると、「申告書等の提出について」というオレンジ色の用紙を渡されました。
よく読むと、「申告書等の提出について」には、提出した日付印刷されていました。収受印ではないけど、いつ提出したか管理するために渡して下さったようです。原則的に配布する必要のない書類のため、来年から用紙の配布は無くなるかもしれません。
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