自分の頭で考えられる人間にするために『僕は君たちに武器を配りたい』
税理士 平林夕佳
『僕は君たちに武器を配りたい』、自分の頭で考えるという武器を身に付けるためのヒントになる本でした。
時代の変化に応じて生きていくために「武器」を持つ
『僕は君たちに武器を配りたい』。本のタイトルだけ目にするとどんな内容なのか想像つきませんが、著者の瀧本哲史さんが言いたいのは、時代の変化に適応して生き抜く武器を個人が身に付けようという内容です。
瀧本さんは、エンジェル投資家、経営コンサルタント、大学准教授、株式会社の取締役など、様々な肩書のある方です。投資や経営に関してプロフェッショナルな方なのでしょう。
著者プロフィールを読むと、瀧本さんは東京大学法学部を卒業した後、大学院の修士・博士課程を飛ばして助手に就任されています。
東京大学は優秀な学生に対して、学部を卒業したら修士・博士課程を飛ばして助手になれる制度があるので、東大生の中でも秀でて優秀な方だったことがわかります。
本が出版された2011年9月は、バブル崩壊後20年、リーマンショック、東日本大震災と続き、雇用が不安定な若者に対して、これからの時代を生きていくために自分の頭で考えるという武器を持ちましょうというメッセージが書かれた本となっています。
金持ち父さんを実践するのではなく、投資家的に考える
『ブラック企業』、『就活ビジネス』、『正社員を使い捨て』など、ここ数年は人手不足で雇用環境が多少は改善されたとは言え、今でもブラック企業ははびこっています。
そういう会社に就職してしまっては、数年働いたところでより高いキャリアに繋がるような人脈やビジネススキルは身に付かないため、またブラック企業に転職することとなる…。
ここで『金持ち父さん貧乏父さん』が引き合いに出されます。私も当時、『金持ち父さん~』を読みましたが、不労所得を得るまでがハードル高いなと思いました。
瀧本さんは不労所得を得るために投資をするのではなく、投資の考え方を身に付けることを勧めてます。つまり、
” 自分の時間・労力・才能を何につぎ込めば、そのリターンとしてマネタイズできるか ”
を真剣に考えることを伝えてます。
『僕は君たちに武器を配りたい』が出版されたのが9年前なので、瀧本さんの著書にはSNSでマネタイズすることは書いてありませんでした。しかし、この10年でYouTuberなど「SNSで稼ぐ」人が増えました。
SNSを一例にすると、瀧本さんが言う『自分の時間をSNSのネットサーフィンに注ぎ込み(時間を投資)、稼いでいる人の分析(労力・才能)をつぎ込めば、そのリターンとしてマネタイズできる』ということになります。
賃金が低下しているのは、人がコモディティ化したから
『人のコモディティ化』という言葉を瀧本さんの著書で目にしました。
経済学の定義によるコモディティ化とは、どのお店で買っても一定のクオリティを満たした同じ商品のことを、コモディティ化された商品と言います。
物がコモディティ化すると、買い叩かれるという弊害があります。
著書では人もコモディティ化すると書かれています。誰でもできることをたんたんとこなすだけの仕事はコモディティ化した仕事のため、どんどん賃金が下がっていくということです。
税理士業でいうと、記帳代行して申告するだけですと既にコモディティ化したテンプレートの仕事と言えます。
自分だけができる仕事をするために、他の人には代えられない唯一の人物になるために、自分の時間・労力・才能を何につぎ込めば、そのリターンとしてマネタイズできるかを自分の頭で考えようと思いました。
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