確定申告でよくある質問～引っ越し、医療費控除編～
Bericht und Foto ：税理士 平林夕佳 geschrieben.
確定申告のときによくある質問、引っ越したときと、医療費控除の判定についてまとめました。
乃木坂陸橋のたもとにある桂由美ブライダルサロン。晴れて暖かかったせいか、ウェディングドレスの撮影が行われていました。
どういうときに確定申告が必要なのか
確定申告の時期に入りました。サラリーマンの方ですと会社が年末調整をするため、自分で確定申告する必要はないでしょう。しかし、以下のケースが発生した場合は確定申告をすることで還付を受けたり、追加で納税することになります。
・医療費控除で税金の還付があるとき
・ふるさと納税で「ワンストップ特例」の申請をしなかったとき
・生命保険金の満期返戻金や解約一時金が入ったとき
・副業して2か所以上から収入を得ていたとき
・転職して、12月31日に勤務していた会社に前職の源泉徴収票を提出していなかったとき
・住宅ローン控除を受けるとき
・雑損控除の適用があるとき
・不動産を売却して譲渡所得が発生したとき
・株やFX、仮想通貨などの売買で申告が必要なとき
思いつくだけで9つあがったので、よく考えるとたくさんのケースがあると思います。
しかしこれらは毎年確定申告をするケースではないので、確定申告の作成が思うように進まないという悩ましいことがあります。
確定申告時期に必ず質問される、引っ越したときと医療費控除の判定
【１】引っ越したけど、住民票を移していない
Q. 去年、静岡から東京に引っ越してきました。しかし住民票は移しておらず、静岡のままになってます。確定申告書は住民票がある静岡県の税務署に提出するのですか？
A. 確定申告書の提出は、住民票がどこにあるかにかかわらず、今お住まいの住所の所轄税務署に提出します。
さらに今まで静岡の税務署に申告書を提出したことがありましたら、静岡の所轄税務署（引っ越し前の税務署）に「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出しなくてはなりません。この届出書は郵送でも受付けてくれます。
個人事業主で申告していた方は、必ず引っ越す前の税務署に、上記の届出書を提出してください。
余談ですが、税務署のほかに静岡の県税事務所には、「事業廃止届出書」を提出し、静岡県では事業を廃止したことを県税事務所に知らせます。そして引続き東京で事業を続ける場合、お住まいの近くにある都税事務所に「事業開始届出書」を提出する必要があります。
源泉徴収票など、引っ越し前に勤務していた会社から、その当時の住所が記載された源泉徴収票を受取っていたとしても、前の勤務先に連絡をして住所欄を直してもらう必要はありません。名前・生年月日・マイナンバー等の照合で、「あなたの所得を証明する書類」ということが判明すれば問題ありません（※2020年2月17日以後の確定申告書提出より、源泉徴収票の提出義務は無くなりました。）
【２】医療費控除として認められる交通費の範囲
Q. 病院へ行くのにタクシーと自家用車を使いました。タクシー代とガソリン代は医療費控除に入れられますか。
A. 通院のための交通費は、公共の交通機関を利用した場合、交通費を医療費控除に入れることができます。タクシーや自家用車のガソリン代は医療費控除に入れられません。ただし、重症なケガや病気で、最寄りのバス停まで歩けなかったなど、致し方ない理由があれば、タクシーを医療費控除に入れることができます。
その他、入院でおむつが必要になった場合、一般的におむつ代は医療費控除に入れてはいけませんが、医師の指示でおむつが必要だったことを認めてもらい、「おむつ使用証明書」を確定申告書に添付すれば、おむつ代も医療費控除として認められます。
医療費控除の判定に役立つ本
医療費控除は、認められるものと認められないものの要件が細かいので、確定申告時期になると医療費控除の手引きを片手に一つ一つ調べて判定しています。
「医療費控除と住宅借入金等特別控除の手引き 令和2年3月申告用」
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