年賀状書き納め、周囲の反応は意外と好意的だった

税理士 平林夕佳

年賀状書き納めしました。SNSで日常を上げているので年賀状は必要ないと判断しました。

税理士事務所前にある神宮外苑前のイチョウ並木。イチョウの葉が黄金色に輝く季節になりました。

12月、お坊さんも走るほど忙しいことから「師走」と言われています

毎年、11月1日が近づくにつれて気が重くなるのが年賀状。11月1日は年賀状の発売日です。
年賀状発売の声とともに今年の終わりを実感し、税理士事務所では繁忙期のピークに達する時期でもあります。
12月の税理士事務所の業務は

・個人事業者の年度末→節税対策を12月31日までに実行。
・法人で12月決算の決算期末→節税対策を12月31日までに実行。
・年末調整業務

が主な業務にです。年末調整業務については年明けでも問題ありませんが、決算は期限がある上に神経を使うので、それだけで頭がいっぱいになる時期です。
仕事だけでも頭がいっぱいなのに、12月20日を過ぎる頃からソワソワするのが、親戚が来る準備、新年のお飾りの用意、おせち料理の下ごしらえ…。
新年のお飾りはすぐに用意できるとして、おせち料理の下ごしらえは日にち単位で時間が掛かります。

事業主・経営者に、年賀状を出さないという選択肢は無いのか

私が学生の頃は、年賀状は一年に1回だけでも近況を知らせて連絡を取る重要なツールでした。
年賀状をきっかけに電話してみたり、メールをしてみたりしてまた交流が復活することもありました。
そのため年賀状を書くことは、私にとって年に一回の貴重なタイミングでもありました。

学生だった当時でも年賀状は長らく連絡を取っていなかった人への大事なツールと位置付けていたため、事業主や経営者としてはなおさら、年賀状を得意先に出すということは外せない年中行事になっていると思います。

事業主や経営者が年賀状を出すもう一つの理由として、年賀状を出さなかった場合、非常識な人に見られるのではないかという心配からでしょう。
非常識な人だと思われたら取引が停止してしまうかもしれません。

私は税理士試験の勉強を始める前に一般企業に勤めていましたが、上司の年賀状を印刷して投函するのが業務の一つに入っていました。
12月に入ったら前年の年賀状リストをチェックし、部署異動や肩書きに変更が無いかチェック、印刷・投函まで仕事納めの12月28日までに終わらせるのです。
引継ぎ業務のリストに年賀状の宛名印刷が入っていたので、年賀状の作成は私の担当する仕事の一つでした。

年賀状を書き納めの連絡をしたら、意外と好意的な返信が多かった

税理士事務所には期限付きの仕事が突然「急ぎ」の依頼で入ってくることがあります。
去年は12月の上旬まで余裕があったのですが、その後、年内に仕上げてほしいという依頼が3件、年明け1月中旬に提出期限を迎える相続税申告が1件入りました。
そのため平成31年(令和1年)の年賀状は1月に入って相続税申告の目途が立ってからやっとの思いで投函しました。
この教訓から、ハラハラしてお正月を迎えたくなかったので、ついに令和2年の「年賀状を書き納め」を決断しました。

顧問先様へは、普段からメールや対面で連絡を取っていますし、私もブログを更新して近況を発信しているので、年賀状は今年のご挨拶をもって書き納めしましたという内容を、
友人へはSNSやメールでお元気な様子を伺っているので、年賀状での近況報告は書き納めしましたという内容です。

顧問先様からは「年賀状の件、承知しました」とのお返事でしたが、友人からは「実は年末年始の忙しい時期に、年賀状は負担だと思っていた」とか、
「年賀状をやめたいと思っていたので、私も書き納めしようと思った」という返信でした。

書き納めのメールを送る前は「薄情だ」とか「常識が無い」という返信が来るのではないかと構えていましたが、
相手も年賀状が負担、書き納めしたいと思っていたということです。お互いに誰かが年賀状書き納めを言い出すのを待っているのかもしれません。

★まとめ★

自分が負担でやめたいと思っていたことは、相手も同じように思っていたということがわかりました。
ただ言うタイミングを逃していたり、新年のご挨拶は日本の常識だから外してはいけないという固定観念があるのかもしれません。
年賀状書き納めの連絡は、相手が言ってくれるのを待っているのかもしれないです。

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