最悪の事態を想定する。不愉快な想定の提案も税理士の仕事。

税務コンサルティングは長期にわたるため
最悪の事態が起こったことを想定してプランを立てます。

↑ブラジル駐在経験がある麻布支部の税理士が経営しているブラジル料理店、シダージ・マラヴィリョーザ。
オーナーの奥さまであるシェフの作る料理の一つ一つが美味しくて、家庭的なおもてなしを味わえるお店。

by 税理士 平林夕佳

個人的なイベントで税金を考えて計画を立てる

経営に携わると、将来的な需要や供給能力、流行、資金調達、不測の事態に遭遇したときなど、様々な面から長期的なプランを立てます。

それと同じで、個人に関することも、将来、起こりうる事態を想定して何かを判断しているはずです。

たとえば、結婚するときに家を買うか賃貸にするかの判断をします。

さらに、結婚すると生命保険に加入するかどうかを考えるでしょう。そして生命保険に加入するならどんな保険がいいかなど、結婚という一大イベントを迎えるときは、その都度将来の計画を立てて決断するはずです。

そこで、家を買うにしても生命保険に加入するにしても税金が関わります。さらに、家族が増えたり転勤で家を売却することになると、また税金が絡みます。

そのため、経営ではない個人の税務相談で税理士が依頼を受けることがあります。

最悪の事態を想定することは、マイナス思考なのか

1980年代後半、日本がバブル経済真っただ中の時代の話を聞くと、「あの時は何をやっても儲かった」という話を聞きます。

当時、一部上場(現、東証プライム)企業に就職した新卒の人から、「7月のボーナスで給料3ヶ月分出た」という話を聞きました。さらにその頃、会社経営をした人からは「どんな商売をやっても儲かった」という話を聞きます。

今思えば、平成バブル経済が異常だったのですが、何をやってもうまく行った時代に「最悪の事態を想定」しただけで「マイナス思考」と言われた記憶があります。

当時は、両親が夫婦そろって子どもがいるのが一般的。離婚率も今ほど高くはありませんでした ( 厚生労働省「離婚率の年次推移」参照)。

これらのことから、1990年頃は最悪の事態を想定して経営計画を立てることはナンセンスだったのでしょう。

同様に、家庭においても離婚を想定して最悪の事態を想定する人は、少なかったのかもしれません。

将来、何が起こるかわからない。だから最悪の事態を想定しておく

さて、平成バブル時、最悪の事態を想定するのはマイナス思考だと言われました。

ひるがえって、現代はいかがでしょうか。

10年掛かって最先端が代わるテクノロジーは、今は数年のサイクルで代わってます。

離婚率は平成バブルが弾けて以降、増えています。そのため、仲の良い家族でも、離婚を想定して将来を考える必要があるでしょう。

ひと昔前は積極的に想定する必要が無かった最悪の事態です。しかし、税理士としてのアドバイスを求められたときは、経営の危機や離婚を想定したアドバイスをすることもあります。

「離婚を想定するなんて、縁起が悪い」と、機嫌を悪くされないか、提案するときはいつもヒヤヒヤしてます。

しかし、言いにくくても「仮に離婚になったら、税金が…」と言わなくてはなりません。たとえゼロに近い確率でも、起きてしまったら取り返しのつかないほど税金がかかる可能性があるからです。

経営に関する最悪の想定なら、経営者は抵抗なく聞いてくれます。しかし、離婚や亡くなったときを想定して話すのは、いつも言葉を選んでしまいます。

一方で、相談者としても聞きずらい話かもしれません。聞いてて嫌な気分になることもあるでしょう。しかし、最悪の事態をにならないよう気を付けたり、良いこともあると思います。

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